営業評価の問題点




  • 営業評価をシフトチェンジする。
    上司と部下の会話


    上司
    「T君、このごろ営業成績がかんばしくないな・・ なにか問題でも抱えているのか?」

    部下
    「どうも担当しているお客様の業績が悪くなっているようで・・・」

    上司
    「お客様のキーマンから問題点など聞いていないのか?」

    部下
    「訪問しても不在がちで、話す機会がないのですが・・・」

    上司
    「ただ、注文を聞いて商品を運んでいるだけだから、君が訪問しても 不在といわれているのではないのか?」

    部下
    「そう言えば、お客様の駐車場で何度か競合の自動車を見かけました。」

    上司
    「なぜもっと早くそのことを報告しなかったのか・・」

    部下
    「商品の運搬やクレーム対応などでこのごろ帰社が遅くなり、忘れていました。
     すいません。」

    上司
    「競合がどのような商品を提案してきているのか 早速、調査してくるんだ!」

    部下
    ・・・独りごと・・・
    そういえば、このごろマンネリになり、商品の情報提供や提案をしていなかったな・・・、競合先の情報を教えてくれるだろうか・・
    まあ、いいや、お客様にTELして訪問をとりつけよう。

    お客様
    「T君、このごろ貴社から提案もないし、1か月前にM社からいい商品提案があってね、その商品を採用したんだが・・・」

    T君
    「お役に立てる提案をしないですいませんでした。弊社にもその商品とほぼ同じ機能がありましたが・・・ 採用の検討をお願いできないでしょうか・・・?  なんとかお願いします。」

    お客様
    「それで、その商品の価格はいくらになるのかね・・」

    T君
    「通常ではXXX円ですが、貴社のことですから、特別価格YYY円とさせていただきますが・・」

    お客様
    「う〜ん、その価格ならお宅の商品を採用したいのだが 残念ながら、M社と契約してしまったからね・・」

    T君
    「なんとか、弊社の商品もすこしでも取り扱ってくださるようお願いします。」

    お客様
    「では、しばらく、M社の売上の状況をみて考えてみよう。」 ・・・・ 「それにしても、T君。今後、言われたことだけするのではなく、当社の利益になるような提案をしてもらわないと困るね。 M社の営業マンは実に当社の内容をよく研究していて、おもしろい商品、売り方などで役立つ提案を持ってきているよ。」

    T君
    「はい、今後、もっと勉強して貴社に役立つ提案をするよう頑張りますので、今後ともよろしくお願いします。」

    早速、この件を上司に報告する。

    上司
    T君の報告を聞いて

    う〜ん、そうか、営業の評価を売上の結果だけでみていると、営業のプロセスでお客様に本来しなければならない問題を解決しているのか見落としてしまう恐れがあるな・・!!
    早急に、営業マンがお客様の問題点を聞き、情報収集して、役立つ提案ができているのかを速く知る仕組みが必要だ。



  • 営業マンの評価を変えてみる

    営業マンの評価は一般的に割り当てられた予算と実績の比較で評価されているのが現実です。 特にルート営業では任されているお客様の規模の大小、または成長しているお客様が多いか、少ないかで営業成績は必然に決まるケースがよくあります。

    大概の会社はルート営業が新規顧客開拓営業より比率が大きいです。そのため、ルート営業でお客様の環境に左右されずに、 実績をアップさせるにはどのようにすればいいのかという問題にあたります。
    そこで、ルート営業の営業マンの行動と評価を変え、お客様サービスの質を向上させていくことで、売上アップに大きな貢献ができるはずです。 ルート営業もお客様の満足を最大にする方法で管理していけば、成果の向上は期待できます。

    ただし、ルート営業は新規開拓とお客様への対応プロセスの内容と評価方法が異なります。 そこで、ベストプラクティス(最も効果的、効率的な実践の方法。または最優良の事例) を組織で共有するために、具体的な手法はルート営業でも既存のお客様への将来の売上アップにつながる評価項目を設定します。

    たとえば、評価項目に売り方の情報を提供、 競合情報の提供、利益率のいい商品の販促方法、在庫商品を削減方法などを設定して、 その評価項目を実践しているかどうかを報告させて、評価する仕組みを作ります。
    そのようにして、だれでもが簡単にベストプラクティスを実践できるようにしていきます。

    結果主義では売上予算を達成できなかったとき、次月以降の具体的行動の指示をださないまま、精神的に何とかがんばれと励ますような状況になりがちです。
    プロセス管理では営業の途中状況がいいのか、悪くなっているのかがわかり、その状況について上司と担当者との会話を通じて、速く問題を解決し売上をアップさせていくことになります。

    また、優秀な営業マンに頼るのではなく、営業のプロセス(提案、見積作成、情報収集など)で営業マンの強みを活かした役割分担での組織的な営業を行ったほうがより成果が上がります。
    お客様主導の時代になって、営業の生産性を上げるため「体力勝負」だけではなく「考える営業」をマネジメントしていくことに転換するべきです。


  • 組織的な(チーム制)営業の時代

    問題解決型の営業へと移行するには、どうしてもチーム営業が必要になります。 よい経験、よい学びを共有できると、一人の力では八方ふさがりだった問題にも、解決の糸口がもたらされるはずです。

    それにはやはり、互いの脳を刺激し合うような議論が欠かせません。 議論するときは質問する力が物を言います。貴重な情報というのは、周囲はもちろん、当の本人もその存在や重要性に気づいていないことが多いものです。 この眠れる知識資産を呼び覚ますような質問は重要なのです。
    そのような質問は既存の製品やサービスをイメージしたうえで、お客様の満たされていない二―ズを理解し、 それらを満たすために製品・サービスをどう改善・改良すればよいのかを考察するためです。

    とはいえ、営業の現場では、チームワークを奨励しても、なかなかうまくいかないものです。何しろ、これまで個人の成績で評価されてきたわけですし、 時には貴重な情報を秘密したり、同僚を出し抜いてきたりしたこともあったはずです。
    このように、 概して一匹狼が集まるところに、単に議論の場を設けたくらいで、チームワークが芽生えることはまず困難なことです。

    やはり、組織の仕組みをデザインし直さなければなりません。たとえば、チーム単位に業績評価する方法があります。 そして、報奨についてもチームで分け合うのです。いわゆるプロフイット・シェアリングの変形といえます。

    一方、このような金銭インセンティブ以外にも、チームワークを促す方法はあるはずです。昇進・昇格の基準を変える、各チームの成果を定期的に発表し、 それぞれの取り組みを共有化する仕掛けをつくるなど、まだまだアイデアは出てくるはずです。

    いずれにしても、「お客様の業績に貢献すると同時に、自社の業績にも貢献する」というゴールに向けて、やれることは何でもやるべきなのです。 質問する力を鍛えることも.個人からチームで動くことも、またそのための体制を整えることもその一つにすぎません。けっしてできないことではないはずです。

    モノが売れない時代なのではなく、売るためにはどうすればよいのかを考える力が足りないのであって、言い換えれば、それは思考停止であり、また怠慢なのです。 営業は「体力勝負」だけではなく、「頭脳勝負」の時代に入ったことを理解すべきでしょう。お客様主導の時代だからこそ、プロダクトアウトではなくマーケットインを とりいれた営業が主役になるべきです。
    その可能性は、すべての営業担当者一人ひとりの考える力をどれくらい伸ばせるのか、そして営業体制を「学び続ける組織」にできるかによるといえます。



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